「ねこまんま」という言葉を知っていますか。
キャットフードが普及する前は、猫のご飯は、人間の食べ残しを与えていて、この餌のことを「ねこまんま」と言っていました。
人間は肉も野菜も穀物も食べる雑食です。
人間の食べ残しを食べていたのなら、猫も雑食なのかなと思うかもしれませんが、実は猫は完全肉食なんです。
雑食ではない猫が、昔は雑食のように扱われていました。
わたしは小さい頃から猫を飼っていますが、両親が用意していた猫の餌は「ねこまんま」でした。
今考えると、猫は食べてはいけない野菜が入っていたと思います。
人間食べ残しをあげていて、危険にさらしていたかと思うと申し訳ないなと感じています。
長年、猫を飼い続け、猫に関する知識が増えたので、今は猫を危険にさらすような餌は与えていません。
今は猫のことを一番に考えたキャットフードをあげています。
友人からも猫は雑食なの?という質問を受けることがありますが、まだまだ猫は雑食だって勘違いされやすいようです。
猫の食性を知って猫と健康的に暮らすことができるように、肉食の猫にあったキャットフードにまつわる情報をお伝えしますね。
勘違いされやすい猫の食事にまつわること

猫は肉食動物
結猫は雑食ではありません。猫は肉食です。
では、どうして勘違いされるのでしょうか。それは、2つ理由があります。
昔の風習:ねこまんま
人間の残りご飯を、食事として与えられていた時代がありました。
キャットフードが普及する前の時代の話です。
米飯に味噌汁をかけ、残ったおかずや野菜くずなどを載せたものを食べさせられていました。
米飯にかつお節をかけて醤油を垂らした食べ方を、今でも「ねこまんま」と呼ぶことがあります。
この元となった食事のスタイルは、猫の昔の食事の方法だったんです。
キャットフードに穀物や野菜が入っている
キャットフードのラベル表示を見たことがありますか。
原材料のところに、肉や魚だけでなく、穀物や野菜も記してあるキャットフードがあります。
これは、キャットフードの価格を抑えるために、安い原材料で作られた商品でよく目にします。
穀物や野菜をまったく食べることができない訳ではありませんので、原材料に穀物や野菜を使っているキャットフードが危険ということではありません。
しかし、猫の体のことを考えると、少し心配な点が残ります。
穀物や野菜も食べれる
猫は非常に環境に適応するのが上手な生き物です。
人間と暮らすようになってから穀物や野菜を食べることが可能になってきました。
その典型的と言えるのが「ねこまんま」です。
また、昔狩りをしていた時代ネズミや小鳥を捕まえて食べていました。
ネズミや小鳥は雑食です。猫は、間接的に穀物や野菜を摂取していたということになります。
猫がたべてはいけない野菜
これまでの記事の流れを読むと、「少しは野菜って猫にあげていいんじゃない?」と思うかもしれません。
しかし、猫は、食べると中毒を起こしてしまう危険がある野菜があるのです。
これについては、しっかり押さえておいてください。
- タマネギ
- 長ネギ
- ワケギ
- ニラ
- らっきょう
- ニンニク
- 春菊(泌尿器疾患があるとNG)
- ほうれん草(泌尿器疾患があるとNG)
猫は野菜以外にも、食べてはいけないものがあります。もっと知りたくなったら、下の記事で確認してみてくださいね。

猫が草を食べる理由
そういいながらも、道ばたに生えている草をむしゃむしゃ食べている猫を見ることがありますよね。
これは、猫の習性なのです。
猫は人間と違って、消化能力が低いと言われています。
便秘症になりやすい体質なのです。これを解消するために、食物繊維が豊富な草を食べているという説が多いようです。
また、飲み込んだ毛を、排出しやすくするように、草を食べているという説もあります。
肉食・草食・雑食の違いってなに?

動物が食べる食べ物の種類のことを「食性」と言います。
これは、3つの種類があり、「肉食」「草食」「雑食」とわけられます。
- 肉食:肉に含まれる栄養素が必要な動物(穀物・野菜を食べてはいけないことではない)の食性
- 草食:植物に含まれる栄養素が必要な動物(動物性のタンパク質を多くとってはダメ)の食性
- 雑食:動物性の食物や植物性の食物を両方食べる食性
猫の食性について知ろう!

ペットの栄養管理や健康問題などの研究機関「ウォルサム研究所」(2011年)によると、「猫は、自ら偏った食事を行うことなく、栄養バランスを考えながら餌を食べることができる」と報告しました。
これが、猫の本来の能力だと言えます。
しかし、飼い猫はそういうわけにもいきません。
人間が与えた餌が頼りですもんね。猫が自ら行うはずの栄養管理を、飼い猫の場合は、飼い主がしなくてはなりません。
猫の食性にまつわるさまざまなことを知って、猫に合わせた餌のチョイスができるようになりましょう。
肉食の証:猫の行動や体のつくり
あんな可愛いらしい顔から、肉食なんて、想像できないですよね。
わたしも小さい頃は、猫は魚が好きなのかな〜と思うぐらいでした。
大人になって、自分でも猫を飼うようになって、猫の行動や体のつくりを知ると、紛れもなく肉食なんだって納得できるようになりました。
ここで少し、猫が肉食なんだという証をご紹介しますね。
- 猫は狩が上手:獲物は小鳥やネズミ。これを食べるということは肉食の証
- 歯が全て肉切り歯
- 目の位置が狩りに適している
- 腸が短いので、穀物の消化が苦手
必要な栄養素
猫に必要な栄養素は、人間と同じ6大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミン・水)です。
ですが雑食の人間と異なって、完全肉食の猫は、栄養素の必要な量が異なります。
猫の栄養素について、タンパク質・脂質・炭水化物の適正量について説明します。
タンパク質
犬のタンパク質要求量は、体重1kgあたり1.6~2.5gです。
それに比べて猫は体重1kgあたり3~5gとしており、特に上限を設けていないという報告もあります。
猫は、犬と違って体内のタンパク質から糖をつくるので、簡単にタンパク質不足になってしまうんですよね。
このような体質から、猫は犬よりタンパク質を多く摂るように推奨されています。
脂質
猫にとって一日に必要な脂質の量の目安はありません。
しかし、体内でつくることができない必須脂肪酸を摂る必要はあります。
これらの成分は、肉類に多く含まれており十分に摂取することが大事です。肉食という食性を考えたキャットフード選びが重要になります。
炭水化物
猫にとって炭水化物は、あまり重要ではありません。
また、上手に消化することができないので、餌に含まれる炭水化物の量を30~40%までに抑えておくことがいいと言われています。
猫は炭水化物からエネルギー源をつくることはできないので、過剰摂取とならぬよう気をつけたいですね。
肉食に合ったキャットフードの選び方

猫の本来の食性に近づけるキャットフード
たくさんのキャットフードの種類から、猫本来の食性に近づけた餌選びって大変そうですよね。しかし、ここは発想の転換です。
過剰摂取すると猫にとってよくない栄養素を使っていないものを選ぶという発想です。
- 肉類 → 絶対必要
- 炭水化物 → ほとんどいらない
- 脂質 → ほどよいバランスでの摂取が必要(肉類からでも合成できる)
と、言うことは、穀物を使わず肉類を多く使っているキャットフードを選べばよいのです。
そんな発想からつくられたキャットフードが「グレインフリー」のキャットフードですね。
「グレインフリー」のキャットフード
肉食動物の猫にぴったりな「グレインフリー」のキャットフード。
どのようなものなんでしょう。
答えは簡単。この2点だけ知っていれば大丈夫です。
- 肉や魚が原材料である
- グレインフリー(穀物不使用)である
グレインフリーのキャットフードは、各メーカーさんでつくられていたり、海外輸入のキャットフードなどインターネット上で見かけることが多くなってきました。
我が家の猫は、安全基準が日本より高い、海外輸入のグレインフリーのキャットフードを食べさせています。
猫の体の特徴に合わせたキャットフードなので、後は水を与えるだけで簡単に食事を済ませることができています。
体調もよく、便秘をしたり下痢をすることもありません。猫の食性に合わせたキャットフード選びって、猫のケアに大切なんだなと実感しています。
キャットフードについての疑問は、まだまだあると思います。
キャットフードの安全性について詳しくまとめた記事がありますので、参考にしてみてくださいね。

まとめ

肉食の猫に合うキャットフードを選ぶことができるように、基本的な知識をご紹介しました。また、猫が雑食と勘違いされやすい理由や、猫が肉食である証について紹介しました。
- 猫は狩りが好き
- 完全肉食のための体:目・歯・腸
- 体に必要な栄養素:タンパク質
そんな肉食の猫にあったキャットフードは、肉や魚を主原料とし、穀物不使用の「グレインフリー」のキャットフード。
このキャットフードを選ぶことで、タンパク質を多く必要とする猫に適した餌を与えている安心感が生まれます。
肉食の猫にあったキャットフード中心の食事にし、安全性や健康面を管理していきたいですが、数多くの中から猫にぴったりのキャットフードを探し出すことは、飼い主さんにとってストレスになってしまうもの。
キャットフード選びに迷ったときは、肉食の猫にあった「グレインフリー」のものを選んでみましょう。