突然ですが、猫って本当によく吐きますよね。
飼っている猫ちゃんが普通にしていたのに、突然「かぽっかぽっ、けぽっけぽっ」と奇妙な音を出して部屋にまき散らすことはありませんか。
どこか具合が悪いのかな、病気なんじゃないのか、と心配になります。また、しょっちゅう吐く子だと、正直またか、と思ってしまいますよね。
さっき食べたものがそのままの形ですぐに出てくるので、栄養を吸収できないですし、どこか調子が悪いのか心配になりますよね。
わたしも初めはとても驚きました。吐くたびに、病気なのかとオロオロしていました。
なぜ、猫は餌を食べてすぐに吐くのか。
それはズバリ、噛まずに丸呑みして一気に食べているからです。
あなたの愛猫ちゃんに餌を丸呑みさせず、吐かせないようどんな工夫ができるのか。
ここでは猫ちゃんが餌を丸呑みする原因と、吐かないようにする解決策をお伝えしていきます。
餌を食べてすぐに吐いてしまう悩みとストレスを一緒に解決しましょう。
どうして噛まずに丸呑みするの?

猫の生態について
本来、肉食である猫の食事は早いものです。
なぜ早食いなのか、それは噛まずに丸呑みしているからです。
そんなに勢いよく食べて体に悪いんじゃないか、と思ったことは一度くらいあるかと思います。
あんなにガツガツ食べて、ちゃんと噛めているのだろうか、また、ちゃんと消化できているのか不思議ですよね。
しかし、猫にとって普通の食べ方なのです。
猫はもともと、狩猟をして捕らえた獲物を食べる肉食動物なので、餌を素早く丸呑みする本能があります。
肉食動物は、自ら獲った獲物が横取りされる可能性もあるため、他の動物にとられないよう食事は早く済ませます。
猫が今でも餌を噛まずに丸呑みする理由です。
愛猫ちゃんの歯をよく観察してみて下さい。
奥歯がわたしたち人間のように平らではなく、ノコギリの歯のようにギザギザしています。
歯の形から見ても、猫は食べ物を細かくすり潰すのではなく、引きちぎる形になっており、噛む形の歯ではないのです。
空腹のせいで早食いになっている
猫の生態上、とられないよう勢いよく食べる習性のほかにも、噛まずに飲み込んでしまう理由がもう一つあります。
それは、空腹の時間が長くあく事です。わたしたちもお腹が空いている時はゆっくり食べていられませんよね。
猫に餌をあげる時間に特に決まりはありませんが、猫ちゃんの年齢や状態により量と回数が違うため、あなたの愛猫ちゃんにあった回数に合わせて空腹の時間が長くならないようにするとよいでしょう。
また、空腹時間が長くあいてからの食事は、血糖値が急上昇し、太りやすくなるので要注意です。
丸呑みしても体に悪影響はないのか

体に悪影響はない
猫が勢いよく餌を食べて丸呑みしてしまう理由について説明してきましたが、あなたの愛猫ちゃんが、このまま丸呑みしながらの早食いを続けていると体が心配ですよね。
わたしも初めは毎日このまま餌を噛まずに丸呑みして大丈夫なのかと不安でした。
初めにお伝えしますが、大丈夫です。
本能とは言えど、よく噛まずに早食いをすると食べ物が細かくならず、胃の中でちゃんと分解出来て栄養が吸収されているのか、消化不良にならないか心配になる方もいると思います。
猫の生態上、食べられる時に素早く食べるようになっているため、わたしたちから見ると早食いで心配になりますが、このスタイルが猫ちゃん達の普通の食べ方なのです。
強い消化液を持っている
猫は肉食動物がゆえに、噛まずに食べてもきちんと消化できるよう、とても強い消化液を持っています。
丸呑みや早食いで噛み砕かれなかった大きな餌でも消化吸収することができます。
また、草食動物に比べて、肉食動物の消化管は短くできているので、肉の消化に特化しており、早く栄養を吸収することができます。
なので、丸呑みしたドライフードでもちゃんと消化させることができるのです。
健康な猫ちゃんであれば、丸呑みしても消化できるような強い消化機能があるので安心して下さいね。
しかし、ドライフードで消化不良の症状が出る場合は、消化機能の低下が心配です。
異常を感じたときは、獣医師さんに相談してください。
丸呑みさせない為の対策4選

1.餌を見直す
餌を噛まずに丸呑みしてしまう場合、大きい粒の餌に変えてみるとよいでしょう。
今まで噛まずに丸呑みしていた場合、少しは噛んでくれるかもしれません。
大きめの粒に変えても飲み込んでいるということは、あなたの猫にとってはその大きさでも大丈夫だったということです。
2.小分けにして与える
空腹の時間が長いとガツガツ食べてしまいます。
なので、1日の総量を、数回に分けて与えてみるとよいでしょう。
また、小分けにした餌を部屋のあちこちに置くと探しながら食べるので食事に時間をかけられます。
3.早食い防止のお皿にする
平らなお皿だと盛られた餌は食べやすいため、すぐに完食されてしまいます。
なので、食べにくいお皿に変えることで、猫ちゃんの早食いを予防します。
こんな形の、でこぼこしたお皿がおススメですよ。
4.食器の高さを上げる
猫は床に近い低い場所で食事をすると、吐きやすくなってしまいます。
それは、首が下がった姿勢だと、背中が丸まりお腹を圧迫してしまい、餌を飲み込みにくいからです。
お皿を床から5~8㎝高くしてあげると食べやすくなりますよ。
食器の高さについは、こちらを参考にしてみてくださいね。

食べた直後に吐くのは大丈夫か

野生の猫は、狩りで獲物を捕り、他の動物に取られないよう急いで食べますが、その時に丸呑みした獲物の毛や、何か異常があればすぐに吐き出せるようになっています。
また、猫は頻繁に毛づくろいをするので、毛玉を吐くことも多々あります。
猫は生態上嘔吐しやすい動物なので、毛玉や異物を吐いたりする他にも、お腹が空いた時に一気に食べると、空気も一緒に飲み込んでしまい胃の中で膨れ上がってから気持ち悪くなって吐きだします。
食べてすぐに吐くと心配でなりませんが、あれは実は「空気」の影響だったんですね。
猫は生態上よく吐く生き物なので、慌てず吐いた後の猫ちゃんの様子を観察してください。
わたしも吐く度に心配していましたが、当の本人はケロッとしていることも多いので大丈夫ですよ。
食後に吐いてしまう5つの原因
猫の生態的に吐きやすいとお伝えしてきましたが、吐きやすくなる原因は主に5つあります。
- 丸呑みした餌の消化が間に合わない。
- 勢いよく食べ過ぎた。
- 一気にたくさんの量を食べ過ぎてしまった。
- 長時間の空腹の後に食べたため、胃が空っぽで胃液が逆流してしまう。
- 食べたあとにたくさん水を飲むことで胃の中で餌が膨らみ吐いてしまう。
これらの場合は病的な嘔吐ではなく、猫ちゃんが餌を丸呑みするがゆえなので安心してください。下記の場合は緊急性は低いので、落ち着いて様子を見てください。
- 吐く回数は週に1回以下。
- いつもと違う様子もなく元気。
- 食欲がある。
- 下痢をしていない。
吐いたら病院に行くべき?

猫はもともとよく吐くので、吐いた後も元気に餌を食べているなら問題はないです。
しかし、飼い主さんとって、愛猫ちゃんが初めて吐いたり頻繁に吐くことはとても心配かと思います。
ここでは少し注意したほうがよいおう吐について説明します。
食べ過ぎで吐く以外のサイン
- 吐しゃ物に血が混ざっている。
- 吐しゃ物に異物が混ざっている。
- 便臭がする吐しゃ物。
- 吐いた後ぐったりしている。
- 食欲がない。
- 1日に4回以上吐いた。
- 1日以上オシッコが出ていない。
- 体に触れられるのを嫌がる。
- 隅に隠れて出てこない。
これらの病気のサインを見落とさないように気を付けましょう。
まとめ

猫が餌を丸呑みして吐く原因は以下の5つという事が分かりました。
- 丸呑みした餌の消化が間に合わない。
- 勢いよく食べ過ぎた。
- 一気にたくさんの量を食べ過ぎてしまった。
- 長時間の空腹の後に食べたため、胃が空っぽで胃液が逆流してしまう。
- 食べたあとにたくさん水を飲むことで胃の中で餌が膨らみ吐いてしまう。
猫たちにとって、早食いと丸呑みは生態上仕方のない事ですが、わたしたち飼い主がゆっくり食べさせる工夫をすることで、少しでも猫ちゃん達が吐くことなく食事ができたらお互いに快適な時間を過ごせますよね。
少しでも丸呑みさせず、吐かせないように私たちが工夫できることは以下の4点です。
- 餌の粒を大きめのものに見直す。
- 1日の総量を小分けにして与える。
- お皿の底がでこぼこした形の早食い防止のお皿に変える。
- 首が下に下がらないように餌用の食器を高さのあるものに変える。
ほんの少しの工夫で、あなたの愛猫ちゃんが吐くことなくゆっくり食べてもらえます。
吐くことはとても体力を使うので、病気の心配がなくても今すぐ改善してあげたいですよね。
ここで紹介した簡単な方法を是非試してみたください。
あなたとあなたの愛猫ちゃんが楽しい時間を過ごせるよう少しでも参考になりましたら幸いです。
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