猫を初めて迎える友人に「猫を飼おうと思っているんだけど、うちの子になって本当に幸せになれるかしら」と相談されました。
初めて猫を飼う時は誰でも不安になるもの。
大切にしたいからこそ、どうしたらいいのか考えたり悩んだりするのです。どうでもよければ深く考えないですよね。
わたしも長い間、猫と暮らしていく中で、悩んだり、嬉しそうな顔をみて喜んだり、辛そうな顔をみて落ち込んだりの繰り返しでした。
でも実は、猫を幸せにしてあげることは、そんなに難しくはないことに気づいたんです。しかし、簡単なことだけど知らないと、大切な猫ちゃんを不幸にしてしまうかもしれません。
猫ちゃんと悩める飼い主さんを救うべく、猫と暮らして30年のわたしが、猫を幸せにするためのヒントを伝授したいと思います。
- 愛猫の性格と特徴を知る
- 猫が住みやすい住環境を作る
- 健康に気を配る
この記事を読み終わったころには「なんだ猫を幸せにすることは、難しいことではないのね」、と肩の力が抜けると思います。
愛猫の性格と特徴を知る
うちの『ゆね』は、日本で1番人気のスコティッシュフォールドです。
スコティッシュフォールドの性格は、おとなしくて人懐っこく、いたずらもあまりしません。体もそれほど大きくならないのが特徴です。それもあって大人気なのです。
スコティッシュフォールドが人のように座る『スコ座り』は、かわいいとSNSなどでも人気です。
でも実はこれ、関節の痛み和らげるための姿勢ではないかと言われています。
それが、スコティッシュフォールドがなりやすい病気
骨軟骨異形成症です。
【軟骨異形成症とは】
スコティッシュフォールドの折れ耳は、耳の軟骨が硬くなり垂れているのです。そして耳だけでなく、足の関節と関節の間にある軟骨が、骨のように固くなって固定されてしまいます。痛みの程度によっては、歩けなくなることも。後ろ足やしっぽが変形してしまうこともあるのです。
しかし、最初からその病気の知識があれば、いつもと変わりがないか観察をしたり、痛みがあるような症状に気づけば、すぐに病院につれていくこともできます。
骨軟骨異形成症は、残念ながら治療法がありません。痛み止めや放射線で痛みや進行を遅らせる事しかできません。
なので家の段差などを減らして、四肢にかかる負担を減らしてあげることを心掛けてあげましょう。
話は戻りますが、もし飼い主さんが、まったく知識がなく、猫ちゃんをほおっておいたらどうなるでしょうか。もっと猫ちゃんを苦しめることになりますよね。
猫ちゃんの特徴や疾患を知ることで、負担は少なくなり、幸せに暮らすことができるのです。
では、ここで他の猫種の特徴や、性格、なりやすい病気を見てみましょう。
【人気の猫種のなりやすい病気、性格】
猫種 | なりやすい病気 | 性格 |
アビシニアン | 肝臓病 皮膚病 血液の病気(白血病等) |
好奇心が旺盛で元気いっぱい・フレンドリーな性格おとなしくて穏やか・好奇心が旺盛 |
マンチカン | ヘルニア外耳炎 変形性関節症 |
おとなしくて穏やか・好奇心が旺盛・少し他の猫より小さめ |
アメリカンショートヘアー | 心臓病 | しつけがしやすく無駄に泣かない・集合住宅でも飼いやすい |
ノルウェージャンフォレストキャット | 糖尿病・熱中症・毛球症 | とても大きくなる・やんちゃで遊び好き・社交的 |
ロシアンブルー | 尿結石 末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい) |
マイペース・忠実で献身的な犬のような性格 |
ペルシャ猫 | 肝臓病・皮膚病・ 心筋症眼病・流涙症 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)・角膜炎等 |
品が良く落ち着きあり・上手に人との距離を取ることができる |
雑種(ノラ猫) | 猫エイズ・猫白血病 | 個性的 |
白猫(血統、ミックス問わず) | 皮膚がん | おとなしくて臆病 |
友達の飼っている猫のももちゃんは、撫でられたりブラッシングは大好き、でも抱っこは大嫌い。
ヤマト君はブラッシングが嫌いだけど、布団の中で飼い主さんと寝るのは大好き。
猫の性格と特徴、なりやすい病気などをよく知って理解して対処してあげることが、1番の猫の幸せに繋がります。
猫が住みやすい住環境を作る
昔は飼っている猫を外に出すことは、普通のことでした。猫は外に出て走り回りたいのだろうと思っていたからです。
わたしの知り合いの子も外に出して、トイレも外でさせていました。しかし庭でトイレをすると近所の人に怒られ、最後は車にひかれて亡くなってしまったそうです。
他にも外に出て、猫エイズや、猫白血病になる子もいます。
ノミダニを家に持ち込む子もいます。(猫のノミって人を嚙むのですよ。ホントにかゆい)
ダニは人の命を奪う事も。
必ず室内飼いにして脱走対策はしてください。
猫は広さよりも上下運動ができる環境が必要
猫は高いところが大好きです。猫は外敵から身を守ったり、危険をいち早く察知したりするため高いところに登りたがる習性があります。
室内だと運動不足になりがちなので、解消するためには上下運動ができる場所があると良いです。
上下運動のポイントはこちらの3つの行動ができるかどうか。
- ジャンプ
- 登る
- 下りる
キャットウォークやキャットタワーを置いてあげるのがおすすめです。
わたしも最初、麻縄のキャットタワーを買いました。安くて種類も豊富だからです。ただ、ニオイに敏感なわたしには不向きでした。
そこで今は、この綿縄のキャットタワーを使っています。ニオイがほとんどないのでおすすめです。
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爪とぎを用意する
猫は、これだけ人間社会にとけこんでも野生の頃の習性を持ち続けています。猫の祖先は、ヤマネコだと言われています。
ヤマネコは、狩りをして生活をしていました。その時に自分の身を守ったり、獲物を捕えるために爪は大切な武器だったのです。
猫の爪は、いくつもの層になっていて次々と新しい爪が生えてきます。そのため古い爪を爪とぎをして剥がし、キレイな爪に研ぎなおすという習性があるのです。
爪とぎは猫の習性なので、無理にやめさせるとストレスになります。だからといって家中で爪とぎをされたら大変。
解決策は、爪とぎを用意して覚えさせることが1番いい方法です。猫も人もストレスなく生活することができます。必ず用意してあげてくださいね。
爪とぎは、いろいろな素材や形状ものが販売されています。最初は、複数の種類を試して、猫ちゃんのお気に入りを探してあげてください。
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遊んであげる
運動不足解消や、ストレス解消のために遊んであげるのは大切です。
猫のおもちゃはたくさん売っていますが、機械や道具ではなく、飼い主さんが一緒に遊んでくれるのが一番喜びます。
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声をかけながら、猫じゃらしをパッと隠したり、パッと出す。
必死にねこじゃらしを捕まえようと、猫の『ちょんちょん』と動かす手の動きや、猫パンチする姿をみるとキューンとします。(猫より自分が癒されている)
目をまんまるにして楽しんでいる姿がほんとに可愛いですね。
トイレを清潔に数は猫の数+1
猫は清潔好きです。トイレが汚いとストレスを感じます。とにかく清潔なトイレをたくさん置いてあげてください。お気に入りのトイレや砂も探してあげることも大切です。
これはわたしの経験上ですが、ペットショップや家で産まれた猫ちゃんは、おからやチップ(固まらない石)を使ったトイレを好みます。
しかし元ノラ猫さんは、外の土などで用をたしていたので、砂や石に近い、鉱物系(固まる石)の方が好きな傾向があります。
快適な温度を保ってあげる
猫は夏の時期であれば、26℃~30℃が快適といわれています。
猫は汗をかく場所が肉球しかありません。水もあまりの飲まない動物なので、熱中症になりやすいです。クーラーなどをいれて温度を調節してあげてください。
病院など緊張する場所に行くとき肉球を触るとしっとりしています。それは実は汗なんです。
冬は8℃~23℃くらいで快適にいられると考えられます。暖房器具、猫用の電気毛布、カイロなど用意してあげると、安心して過ごせるでしょう。
健康に気を配る
猫は自然界に住んでいたころ、スキを見せたら狙われて襲われます。その名残で、猫は体に何か異常がでても、隠す傾向があります。
ぐったりして慌てて病院に連れて行っても、手遅れということは本当によくあります。
飼い主さんが変化を見逃さず、健康に気を配り、早期発見してあげることが大切なのです。
おしっこの色のチェック、食欲はあるか、焦点はあっているか、寝てばかりいないか、便秘や下痢ではないか、注意深くみてあげてください。
良質なご飯ときれいな水をあげる
健康な猫ちゃんには、「総合栄養食」のドライフードを与えましょう。総合栄養食には、必要な栄養素が含まれています。ドライフードは歯が汚れにくく、顎も丈夫になるためおすすめですよ。
そしてその子にあったキャットフードを探して与えてください。
- 肥満の子にはダイエット用キャット―フード
- 歯が悪い子にはウェットキャットフード
- 小麦アレルギーの子には穀物フリーのキャットフード
どんなキャットフードがいいのか迷ったら、行きつけの動物病院の先生に相談するのもよいでしょう。サンプルをくれる病院もあるので、お試しができることも。
わたしは上質なたんぱく質と使っている素材にこだわった「ジャガーキャットフード」にしています。
ワクチンを接種する、健康診断を受ける
ワクチンを接種すると、感染症に対する免疫力をつけることができます。室内飼いだから大丈夫と思っていても、外から来た人や物にウイルスが付着していて感染する事があるんです。
1年に1回ワクチン接種と健康診断をお勧めします。
- 猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症〈猫伝染性腸炎)
- 猫クラミジア感染症
- 猫白血病ウイルス(FeLV)感染症
- 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズウイルス)
- 狂犬病
白血病・エイズ・狂犬病・クラミジア感染症は、外に出さなければまず感染することはありません。ワクチンを打つと副作用がでて、体調を崩す子がいます。リスクを考えると、室内飼いならこの3種で大丈夫です。
- 猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症〈猫伝染性腸炎)
猫にストレスを与えない
猫はストレスに弱い生き物で、ストレスで病気になることもあります。突発性膀胱炎や脱毛、食欲不振、下痢、嘔吐など様々な症状がでます。
外で工事をしていた時に、ゆねは膀胱炎になったことがあります。
- 引っ越しなどの環境の変化
- 工事の音や子供の甲高い声
- 見ず知らずの猫の侵入
できるだけストレスのない環境を作ってあげてください。
まとめ
猫を幸せにしたい3つのヒントできそうですか。そんなに難しいことではなかったですよね。猫の気持ちに寄り添って、愛情を持って接すれば楽勝です(笑)
猫を幸せにしたい、猫に愛される飼い主になるための3つのヒント。
【ヒント1 愛猫の性格と特徴を知る】
猫種によってなりやすい疾患や性格を知ることで、異変があったとしても飼い主が早く気付け、幸せに暮らすことができる。
【ヒント2 猫が住みやすい住環境を作る】
- 猫は広さよりも上下運動ができる環境が必要
- 爪とぎを用意する
- 遊んであげる
- トイレを清潔に数は猫の数+1
- 快適な温度をたもってあげる
【ヒント3 健康に気を配る】
- 良質なご飯ときれいな水をあげる
- ワクチンを接種する、健康診断を受ける
- 猫のストレスを与えない
これを実行すれば、きっと猫に愛される素敵な飼い主さんになれること間違いなしですよ。
最後のお別れの時に、悔いが残らないようにたくさん幸せにしてあげてください。