今あなたが飼っている猫は元気に餌をパクパクと食べてくれていますか、それとも前よりも食いつきが悪くなったり、餌を残すようになっているでしょうか。
この記事をご覧になっているということは、何かしら猫の餌についてお悩みをお持ちなのではと思います。
あるいは今は問題なくても、餌を食べなくなった時に対処法を知っておきたいという勉強家の飼い主さんかもしれません。
ペットといえども家族と同じ。
家族の不調は自分のことのように不安な気持ちになるものです。
しかも動物は人間のように言葉が話せないので、どこかに不調を抱えていてもなかなか分かりづらいため余計に心配な気持ちになりますよね。
そんな時、猫の餌にちょっとした工夫を加えるだけで食欲が増してご飯をよく食べてくれるようになるんです。
それは、いつも食べている餌を「ふやかす」という方法。
この記事では猫想いの優しいあなたにだからこそ試してほしい、猫の年齢に合わせた餌(キャットフード)をふやかす正しい方法をお伝えしていきます。
猫がどんな状態の時にふやかして与えると効果的か、ふやかす際にこれだけは気を付けてほしい点などをまとめました。
この記事一つであなたのお悩みは解消され、猫もパクパクと美味しく餌を食べてくれることでしょう。
それでは早速ご紹介していきますね。
キャットフードをふやかす必要性

食べることは生きることという言葉があるように、私たちもご飯を食べないと力が出ませんよね。
忙しくてつい食べそびれた時やダイエットをしている時など、何食か食事を抜くとお腹が空いて力が出なかったりイライラしてしまったり。
これは猫も同じです。猫が餌をきちんと食べるということは、猫が生きることに繋がります。
そのためもちろん猫も餌を食べない状態が続くと力が出ませんし、当たり前に栄養も不足してしまい健康を害することへ直結してしまうのですね。
でも反対に考えると餌をあげる前のちょっとしたひと手間で、その健康を守ってあげることも私たち飼い主にはできるのです。
ほんのちょっとしたひと手間以外に、特別なものを準備する必要はありません。
ではここからは猫の成長度別に、どんな時に餌をふやかしてあげると良いかをご紹介します。
あなたの猫ちゃんもどこかに当てはまるかもしれません。
子猫の離乳食としてふやかす
人間も生まれてすぐからガンガン固形物は食べないように、猫も同じです。
子猫の時はまだ歯も消化器官も発達していないため、様子を見ながらにはなりますが一般的には生後約3か月頃まではふやかしたキャットフードを与えるのが良いとされています。
高齢猫の流動食としてふやかす
こちらもご高齢のおじいちゃんやおばあちゃんを想像してみてください。
固いものをバリバリと食べる方よりも柔らかい食べ物が中心となる方が多いのではないでしょうか。
猫も同じく高齢猫になれば歯が弱り噛む力も衰え始めるため、ふやかしたキャットフードが必要となります。
成猫の食欲がない時にふやかす
成猫でもなぜか食欲がない時や体調がすぐれない時、歯の調子が悪い時にはふやかしたキャットフードを与えることをおすすめします。
この場合も人間と同様、風邪を引いた時や歯が痛い時はお粥などの柔らかいご飯が噛みやすく消化にも優しいですよね。
このように人間に置き換えて考えてみると、どういった時にふやかしたキャットフードが必要であるかが判断できますよ。
- 子猫には離乳食としてふやかそう
- 高齢猫には流動食としてふやかそう
- 体調不良?成猫でも食欲がない時はふやかそう
では早速キャットフードをふやかす手順にいきたいところですが、その前に。
ここからとっても大切なキャットフードをふやかす際の注意点をお伝えしますので、あなたの可愛い愛猫のためにも必ず読み飛ばさずにチェックしてくださいね。
餌をふやかす前に知らないと怖い注意点
猫の健康のためにと思ってキャットフードをふやかしても、注意点を知らずに行ってしまい、かえって猫の健康を害してしまっては元も子もありません。
熱湯でふやかさない
熱湯でふやかすと、ふやけるスピードも速いのでついつい熱湯でふやかしてしまいたいところだと思います。
いくら可愛い猫のためといえども毎日毎食分となると、面倒だと感じてしまうあなたの気持ちとっても分かります。
でも熱湯でふやかすことは絶対にやめてください。
熱によってキャットフードに含まれているビタミンなどの栄養分が破壊され、外に流れ出てしまいます。
また、猫舌の方は言われなくともお分かりでしょう。
熱い食べ物を食べるとハフハフ熱くてもはや味なんて何も感じませんよね。
私も猫舌なのでその壮絶さは手に取るように分かります。
猫舌という言葉ができてしまうほど、猫の舌はたくさんの神経が集まっており非常に敏感です。
熱湯でふやかすことは絶対にやめましょう。
- キャットフードの栄養層が破壊されちゃうから熱湯はダメ!
多めにふやかさない
明日の分のご飯も炊いておこうといったノリで、どうせふやかすなら多めにふやかして数日分食べられるようにしておきたいところですがこれも絶対にやめましょう。
なぜならふやかしたキャットフードは菌が繁殖しやすいためすぐに腐敗します。
ふやかすのはその時に食べる1食分だけをふやかしましょう。
ちょっと面倒くさいなと感じるかもしれませんが、後ろの項目で早くキャットフードをふやかすコツもご紹介しますのでお仕事などで忙しい飼い主さんでも心配無用ですよ。
- キャットフードをふやかすのは1食分だけ!菌が繁殖しちゃうよ!
人間用の牛乳や出汁でふやかさない
子猫にあげるキャットフードはミルクでふやかしても良いとされていますが、必ず子猫用に販売されているミルクでふやかしてください。
人間用の牛乳は乳脂肪分が多いためにカロリーが高く猫の体には合わない成分も入っています。
また、成猫や老猫にお出汁でふやかしてあげることも良い方法ではありますが人間用の出汁パックから取ったお出汁でふやかすことは避けてください。
なぜなら塩分が多く含まれており猫へは毒だからです。
- 猫に塩分はダメ!猫用の食品を使おう!
ふやかしたフードばかり食べさせない
成猫でも、ふやかした方が餌の食いつきが良いからなどの理由で普段からキャットフードをふやかして与える飼い主さんがいますが、それは危険です。
なぜかというと、ふやかしたキャットフードは柔らかいがゆえに歯に詰まりやすく歯垢が溜まる大きな原因になってしまうんです。
毎食の餌が虫歯のリスクをグッと上げる原因になってしまうのでは困りますよね。
また、噛む力が衰えて顎が弱くなってしまう原因にもなるので、ドライフードがしっかり噛めるのであればドライフードを食べさせてあげましょう。
反対にドライフードは歯磨きの効果もあると言われています。
それに、ふやかした食感が徐々に飽きてきてしまいキャットフード自体を全く食べなくなってしまうなんてことも。これでは本末転倒です。
キャットフードそのものを食べてくれなくなると、これまた対策を練るのが大変ですよね。
そんなことがないように、自分の愛猫には本当にふやかしたキャットフードを与えるべきか慎重になる必要があります。
- 猫の歯の為にもふやかすのは、ほどほどに!
- 熱湯でふやかさない
- 多めにふやかさない
- 人間用の牛乳や出汁でふやかさない
- ふやかしたフードばかり食べさせない
どれも猫の体を考えると、気を付けられることばかりですね。
この注意点さえ抑えていれば、これからご紹介する手順であっという間に完成です。
キャットフードを正しくふやかす方法
それではいよいよキャットフードを正しくふやかす方法を見ていきましょう。
- 人肌ぐらい(約35度~約37度)の熱くも冷たくもないぬるま湯を用意
- ぬるま湯をフードが浸るぐらいまで入れる
- しばらくするとフードがぬるま湯を吸ってふやけてくるので、柔らかさが足りない場合は少しずつぬるま湯を追加
- スプーンで押してみて完全にフードが柔らかくなったら完成
手順自体はいたってシンプルで簡単ですよね。ふやかすために新しく何かを準備する必要もないので、今からすぐにでも試してみることができますよ。
- 水分補給も兼ねて、ぬるま湯は捨てずにそのまま与えましょう。
- ぬるま湯ではなく水でもふやかすことは可能ですが、ふやかす時間が倍かかるため、ぬるま湯でふやかすことをお勧めします。
知らなきゃ損!餌をより早くふやかすためのコツ
先ほど注意点の項目でもお伝えしましたように、熱湯ではふやかせないし作り置きもできないとなると、毎食ふやかしてあげるのは正直少し手間に感じてしまいますよね。
しかも、餌がふやけるまでにお腹が空いてニャーニャーと餌を欲しがったりされた時には、ごめんねぇとなだめながらニャーニャーという空腹の叫びの中ふやけるのを待たなくちゃいけなかったり。
老猫の場合にいたっては、これから長い期間ふやかしたキャットフードを食べることになるでしょう。
だったら少しでも飼い主さんの手間も省けて猫も早く餌が食べられると嬉しいですよね。
そこで知っておいて損はない、いや知らなきゃ損なキャットフードをより早くふやかすためのコツを伝授しちゃいます。
時間がないなと思った時や、猫が待つ時間が大変そうといった時に試してみてくださいね。
水をかけて保存容器に入れて冷蔵庫へ
事前に保存容器(タッパー等の密閉度が高い容器)にキャットフードと水を入れて冷蔵庫に入れておいてください。
冷蔵庫に入れる理由としては、先ほど上の項目でもお伝えした通りふやかしたキャットフードは菌が繁殖しやすいです。
そのため常温のままや、ぬるま湯の温度のまま放置してしまうことは良くありませんが、冷蔵庫に入れておけばそうした菌の発生を防ぐことができるため、当日分ぐらいであれば問題ありません。
朝に夜の分を準備しておくと、飼い主さんも猫も時短になってとっても良さそうですね。
ただ冷蔵庫から出すとフードがとても冷たくなっているため、ぬるま湯を少しかけて温めてからあげましょう。
キャットフードをあらかじめ細かく砕いておく
キャットフードの粒を小さくしておくと、一粒ずつにぬるま湯や水が染み込みやすくなりふやける時間を短縮させることができます。
ジップロックやビニール袋等に一食分のキャットフードを入れ、めん棒などを使ってガンガン叩きましょう。
そうすると粉々になると思いますので、そこからの手順は同じです。
注意点とすればガンガンという音に猫がビックリしてしまわないようにだけお気を付けくださいね。
ぬるま湯をかけたあとに蓋をする
個人的にはこの方法が一番おすすめです。
ぬるま湯がかかったキャットフードのお椀に蓋をしてあげると、ぬるま湯の蒸気がお椀にこもって多少ではありますが早くふやかすことができます。
なぜこの方法が一番おすすめかと言うと、一番簡単にできる方法だからです。
タッパーの準備も必要ないですし、ガンガンという音も立てなくて良いので猫にも優しいです。
ただ、そのためにはキャットフードの餌入れをやや深さのあるお椀にしておかなくてはなりませんが、深さのないお皿の場合はサランラップで対応しちゃいましょう。
- 水をかけて保存容器に入れて冷蔵庫へ
- キャットフードをあらかじめ細かく砕いておく
- ぬるま湯にかけたあとに蓋をする
以上キャットフードをふやかす方法を見てきました。
ここまで読んだあなたはキャットフードのふやかし方について相当知識が得られているはずです。
ふやかしても食べてくれない時は?
時間をかけてせっかくふやかしたのに食べてくれないという時、なんともやるせないですよね。
ふやかしたのに食べてくれないと一食分のキャットフードが無駄になるし、手間暇かけたのに~とモヤモヤしてしまうことでしょう。猫も悪気があるわけではないのです。
猫が餌を食べない時の細かい理由は様々ですが、大きくは次の3パターンに分かれます。
1.病気である
24時間以上、あなたの愛猫が全くご飯を食べない時は病気のサインの可能性があります。
丸1日以上ご飯を全く食べていないという場合はすぐに動物病院で診察を受けてください。
2.フードの味に飽きた
私たちも毎日毎食同じ食べ物を食べ続けると当然飽きてきますよね。
これは猫も同じで、時には飽きてしまうこともあるのです。
3.環境が変わった
例えば最近お引越しをしたり、ガラッとおうちの模様替えをして猫ちゃんのいつもいた場所が変わってしまったなど、猫は自分の落ち着く居場所を失ったことで過度なストレスを感じて一時的に食欲が落ちる場合があります。
そこで有効なおすすめの方法を伝授しちゃいます。
①お出汁でふやかす
ふやかす時のぬるま湯をチキンスープや鰹節のお出汁に変えてみてはいかがでしょうか。
私たちもいつも同じ味のお粥を毎日食べていると、もう飽きて食欲もなくなりますよね。
猫の心情もこれと全く同じなんですよね。
そこへ大好きな鰹節のお出汁やチキンスープが出て来たらどうでしょう。
と喜んでパクパク食べてくれることでしょう。
少し話は逸れてしまいますが、ペットがパクパクご飯を食べてくれる姿を見ると気持ちがほっこりしませんか。
ペットがくれる癒しのパワーはすごいですよね。
とにかく試してみる価値はありなのでぜひやってみてくださいね。
ただ一つ注意点としては、先ほどの注意点の項目でもお伝えした通りチキンスープも鰹節のお出汁も必ず塩分が入らないように作ってあげてください。
②ウェットフードをふりかけてみる
先ほどご紹介したウェットフードですが、メインはドライフードにしてどうしても餌を食べてくれない時にたまにウェットフードを混ぜて使うといった方法にすると、猫も色んな食感が楽しめるしお財布にも優しいですね。
食欲不振で食べる量が減り十分に栄養を補えていない時に食べさせてあげると、主食にプラスで栄養を補ってくれるのでとても有効です。
水分が多いため良い香りがして猫の嗅覚を刺激してくれますよ。
まとめ
今回は猫の餌であるキャットフードをふやかす必要性やふやかす際の注意点、その方法について見ていきました。
- キャットフードをふやかす必要性
- 餌をふやかす前に知らないと怖い注意点
- キャットフードを正しくふやかす方法
- 餌をより早くふやかすためのコツ
- ふやかしても食べてくれない時は?
ここまで読まれた愛猫家のあなたはキャットフードのふやかし方についてバッチリマスターされたも同然。
あなたに飼われている猫はとても幸せ猫ちゃんです。
犬も猫も、ペットはみんな飼い主さんが与える食事で健康状態が決まると言っても過言ではありません。
口から入る食事というのは健康に直結してしまうとても重要なものです。
あなたの猫の健康管理ができるのはあなただけ。
あの時ああしてあげれば良かった、などと後悔することのないように毎日の食事にもちょっとした気遣いを添えてあげてください。
この記事をぜひ参考にして、可愛い愛猫ちゃんといつまでも長く楽しく一緒に生活していってくださいね。