よくアニメなどで、怒った猫が『シャキーン』と爪を出してひっかくというシーンを見たことはないでしょうか。
猫にとって爪は、狩りや自分の身を守るための武器でもあり、木登りなどにつかう道具でもあります。
そんな猫の爪について、先日友人から電話がありました。
よく聞いてみると友人の猫の爪はちゃんとあり、元気だったようです。
じつは猫の爪が落ちているのはよくあること。正常なものなので、心配要りませんよ。
ただし、中には病院に行く必要があるケースも。
猫の手にバイ菌が入り、感染症を起こしていたということもあるんですよ。
今回は猫の爪のトラブルと、病院に連れていくケースについてご説明していきたいと思います。
爪の怪我にはどんなものがあるのか?
先ほどの友人のようなケースでは病院にかかる必要はありませんよ。
こんな感じでポロっと落ちていますよ。
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出典:インスタグラム
猫の爪は何層にも重なっており、内側にどんどん新しく鋭い爪が生えてきます。
この落ちていた爪の根元の方をみると薄くなっていますね。
古くいらなくなった外側の部分だけが取れたということがわかります。
では、猫の爪トラブルにはどんなものがあるのでしょう。
【猫の爪トラブル】
- 爪が折れる
- 爪が肉球に食い込む
- 深爪
それぞれについて詳しくご説明しますね。
1.爪が折れる
猫の爪の形はピーターパンに出てくるフック船長みたいな『かぎ爪』です。
この形、とても引っかかりやすいのでキャットタワーに登るときもとっても重宝するのですが、その反面爪が根元から折れてしまうという怪我をすることも多いんです。
根元から折れてしまうと、出血することも。
爪が根元から折れてしまうと、爪の神経がむき出しの状態になってしまいます。
2.爪が肉球に食い込む
猫が巻き爪になるという話を聞いたことはありますか。
これはよくシニアの猫に見られる現象です。
シニア猫になると爪とぎをあまりしなくなってしまいます。爪とぎを始めたなと思ってもすぐにやめてしまうこともしばしば。
爪を研ぐ力が衰えてきていることに原因があります。
巻き爪が伸び続け、ついには肉球に食い込み傷つけてしまうんです。
こちらを見ていただけるとわかりますが、爪の先が肉球に刺さっていて見えなくなっていますよね。
出典:りょう動物病院
猫が歩きにくそうにしていることから発見する場合が多いですよ。
普段から歩き方もチェックしてみましょう。
3.深爪
猫の爪トラブルである深爪、これは飼い主が引き起こしてしまうトラブルですね。
外で生活をする猫は木登りをしたりするので、爪切りの必要はありませんが、家ネコの場合は爪切りが必要になります。
爪が伸びていることで引っかかりやすくなり、先ほどお伝えした『爪が折れる』トラブルの原因になります。
そこで行うのが爪切りなのですが、爪には神経も伸びています。
こちらの写真をみていただくとわかりますが、ここが爪を切るライン。
それよりも根元側にピンク色の部分が見えますか。これが神経になります。
神経まで切ってしまうともう深爪です。出血しますし、痛がって鳴きます。
爪の怪我の対処法
では次に、猫が爪に怪我を負ったらどう対処すればいいのでしょうか。
きっとすごく焦りますよね。
目の前で怪我をすればすぐに対処もできますが、じつは猫というのは自分の怪我や不調を隠してしまう動物なんです。
いつもと違うと思ったら体をチェックしましょう。
怪我を見つけたとき焦らずに対処できるように、しっかり覚えておきたいですね。
- 傷口を清潔にしておく
- 出血の有無を確認、出血していたら止血をする。
- あればエリザベスカラーをつける
- 傷がなおるまでは外に出さない
まずは傷口にバイ菌がついている可能性があります。
流水でしっかり傷口を洗い流しましょう。
人間用の消毒液は絶対にNGです。
そして止血方法ですが、いくつか方法があります。
止血方法 | 手順 |
圧迫止血 | 出血場所をティッシュやコットンなどを当てて、5分~10分押さえる。 |
止血パウダー | 深爪の出血時に使用。
止血剤を直接爪の切り口につける。 |
圧迫止血(あっぱくしけつ)はどこから出血したとしても使える基本的な止血方法です。
ポイントはちょこちょこ圧迫を止めて確認しないこと。圧迫を止めることでまた出血してしまいます。
5分~10分は手を外さずに続けましょう。
それに比べて深爪専用の止血パウダーというものもあります。
止血パウダーは通販で購入することもできますよ。
急に必要となることがほとんどなので、家にないという方が大半かなと思います。
そんなときには小麦粉で代用可能です。
傷があることで猫はそこを治すために舐めようとしますが、猫の口の中には雑菌がいっぱい。
感染症を防ぐためにエリザベスカラーをつけ、外に出さないようにしましょう。
エリザベスカラーは猫を飼っていると何回か活躍の場がありますが、猫にとっては結構なストレスです。
怪我以外のストレスはなるべく減らしてあげたいものですよね。
事前にエリザベスカラーもストレスの少ないものを用意しておくと、いざというときに役立ちますよ。
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怪我の程度を確認したら今度は動物病院に行くかどうか判断しましょう。
動物病院受診の判断は?
では、皆さんが一番悩むと思われる病院の受診について説明していきたいと思います。
- 爪が根元から折れた場合
- 肉球に深く食い込んでいる場合
- 手当てをさせてもらえない場合
- うずくまっていて動こうとしない場合
それぞれのケースを見てみましょう。
受診ケース:爪が根元から折れてしまった場合
爪が折れる部位によって新しく生えてきてくれるか、そのまま爪が死んでしまうかが分かれます。
またバイ菌が入り、感染症を起こしてしまう危険があるので、この場合は迷わず受診です。
受診ケース:肉球に深く食い込んでいる場合
巻き爪により肉球に食い込んでいる場合、当たっている程度の食い込みであれば、爪切りをして巻き爪を除去してあげましょう。
ただし、皮膚を突き破って傷がついている場合には受診です。
こちらも傷ついた場所からバイ菌が入り込み感染を起こす危険があります。
食い込んだ爪の除去は恐らく素人では難しいです。病院でしっかり消毒をしてもらい、爪の除去などの処置を受けましょう。
受診ケース:手当てさせてもらえない場合
猫は痛みによって攻撃的になる場合があります。
出血しているのに、手当てをさせてくれない。
そんなときには受診をして、病院で処置をしてもらいましょう。
嫌がるのを無理矢理押さえつけては、飼い主に思わぬ反撃の危険大です。
もし暴れそうなときには洗濯ネットなどに猫を入れて受診させると安全ですよ。
受診ケース:うずくまって動こうとしない場合
猫がうずくまって動かないというのは、よほど痛いときになります。
わたしたち人間も痛みが強いと、痛いところを押さえてうずくまりますよね。
痛いと鳴く子もいますが、なかには鳴かない子も。
表情を見てもポーカーフェイスの上手な猫たちです。痛そうな顔をしているか判断が難しいですよね。
行動がいつもと違うと気づいたら病院を受診しましょう。
爪の怪我を未然に防ぐ方法
猫の爪にまつわる怪我を未然に防ぐ方法として、大切なこと。
それは爪を伸ばしすぎないことです。
- 爪研ぎをしているかチェック
- 延びていたら爪切りをする
爪研ぎがきちんとできているか、シニア猫はとくによく観察しましょう。
爪研ぎの環境をこれを機会に見直してみるのも良いかもしれません。
爪研ぎは古くなった爪の層を取り除く目的でもありますが、マーキングを目的としている場合もあります。
こちらで爪研ぎの素材や置き場所についてもご紹介していますので、興味があるという方はぜひご覧ください。
延びてきている爪は神経の走るピンク色のところから1~2ミリ程度先、透明がかったところを切ります。
子猫の場合は1週間に1回、成猫は2週間に1回、シニア猫は3週間に1回ほどのペースで爪をチェックし、延びているようなら切ってあげるといいてすね。
まとめ
爪の怪我について説明してきました。
猫が爪を怪我してしまう原因は、爪が延びていることや、飼い主が深爪をさせてしまうことにありましたね。
それらが原因で起こりやすい怪我がこちらでした。
【猫の爪トラブル】
- 爪が折れる
- 爪が肉球に食い込む
- 深爪
爪研ぎには体力も必要で、体力が衰えてきたシニア猫では、巻き爪に注意が必要ということもご説明しました。
【病院受診の判断基準】
- 爪が根元から折れた場合
- 肉球に深く食い込んでいる場合
- 手当てをさせてもらえない場合
- うずくまっていて動こうとしない場合
怪我に早く気付いて病院に連れていけるように、普段から猫の行動をよく観察してあげましょう。
猫にとって爪はなくてはならないもの。
しっかり守ってあげたいですね。
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