愛猫の体に毛玉を見つけたものの、なかなか取れずに困ったという経験はありませんか。
子どもの頃、よく遊んでいた友人の家にメインクーンがいました。長毛種でふわふわの長い毛がとても可愛くて大好きでした。
ある時、なんとメインクーンの体が丸坊主になっていたんです。
訳を聞くと、毛玉がたくさんできてしまって動物病院でとってもらったとのこと。
ライオンのような姿もまた可愛かったのですが、それはそれは驚きました。
わたしの愛猫ゆねの猫種であるスコティッシュフォールドには長毛種も短毛種もいます。ゆねは長毛種よりの短毛種で毛が多く、毛玉が出来やすいんです。
友人の猫のインパクトが大きかったこともあり、毛玉ケアはゆねとの毎日で力を入れていることの1つです。
毛玉は飼い主さんの手で取ることもできますが、取り方を間違えてしまうと猫を傷つけてしまったり痛い思いをさせてしまうことも。
今回は、猫に負担をかけずに毛玉を取る方法、また、わたしが日々行なっている毛玉を防ぐ方法をお伝えしていきます。
猫の毛玉の正体
毛玉のもとになっているのは、猫の抜け毛です。
顕微鏡で拡大しないとわかりませんが、猫の毛はツルツルではなくささくれだって絡まりやすい特徴があります。
猫の毛は日々生え変わっているので、抜け毛も常にある状態。
被毛の間に残った抜け毛が他の毛と絡みつき、皮脂や汚れが加わって固まったものが毛玉になるというわけです。
毛玉ができる原因
猫自身が毛づくろいで舐めとったり、飼い主による毎日のブラッシングで取り除くことができていれば良いのですが、状況によって上手くいかないこともありますよね。
次のような理由で抜け毛が残ってしまうのはよくあることなんです。
- 思うようにブラッシングをできない日が続く
- 生え際までブラシが行き届いていない
- 老猫になって毛づくろいが上手くできない
そうなんです。
ブラッシングは毛や皮膚の汚れを取る効果もあるので、毛玉を防ぐためにも欠かせません。後程わたしが使っているブラシなど詳しくご紹介しますね。
毛玉がもたらす悪影響とは
いいえ、そうではありません。毛玉は猫の健康にも大きく影響を与えます。
- 猫が痛い思いをする
- 皮膚炎を起こしやすくなる
- 快適に過ごせなくなる
毛玉に皮膚をひっぱられて痛い思いをするだけではなく、固まった毛の下は通気性がとても悪くなります。
そのため、皮膚が蒸れて炎症を起こしやすくなる上に、毛玉で皮膚が見えず飼い主さんによる発見も遅れ悪化してしまうこともしばしば。
また、猫の毛はふわふわを保つことで冬は温かく、夏は涼しく過ごせるように調整されています。それが固まってしまうと、常に硬いよろいを着て過ごすようなもの。
毛玉に気付いたら、なるべく早く取ってあげたいですね。
毛玉を取る時の注意点
毛玉を取る時には、無理にひっぱらないこと。
ただでさえ毛玉によって皮膚が突っ張っている状態なので、猫は痛い思いをしています。
無理に行うと猫の皮膚が裂けてしまったり、痛みで怒った猫が暴れて飼い主さんが怪我をするという心配もあります。
飼い主さんの手で取るのが難しい時は、動物病院やトリミングサロンでとってもらうこともできますので、無理をしない事が大切です。
毛玉を取る時は、無理に引っ張らないようにしましょう。
毛玉の取り方 4つのステップ
Step:1 状態をよく確認する
Step:2 クシやブラシでとく
Step:3 ハサミを使う
Step:4 プロに任せる
段階を追って説明していきますね。繰り返しになりますが、無理に引っ張らないように気を付けて進めていきましょうね。
Step:1 指でほぐす
まずは毛玉の状態をよく観察しましょう。
いきなり毛玉をつかむと猫が痛みを感じるかもしれません。皮膚を引っ張らないように、片手で生え際をしっかり押さえます。
その後、指で優しく毛玉をこすり合わせるようにしてほぐしましょう。
長毛の猫と暮らしている友人から勧められたのは、毛玉取りの専用ローション。
ローションがなくても、猫用のシャンプーやリンスが手元にあれば、少しだけ指にとり毛玉になじませてみてください。毛玉は皮脂を含んでいるので、ほぐれやすくなりますよ。
Step:2 クシやブラシでとく
次は、毛玉をバラバラにほぐし、クシやブラシを使って毛を整えていきます。
ある程度指でほぐせたら、クシやブラシで毛先から少しずつとかしてあげましょう。
最後に全体をブラッシングすれば完了です。
Step:3 ハサミを使う
いきなり毛玉を切り取るのではなく、まずはハサミを使ってほぐしやすくすることに挑戦してみましょう。
毛玉の付け根をしっかり押さえたまま、縦向き(体に対して垂直)に数か所、ハサミの先端で浅めに切り込みを入れます。
これは誤って皮膚を切ってしまうのを防ぐためです。
毛玉の根元を切るのは危険
それはあまりおすすめしません。
なぜかというと、毛玉だけを切ったつもりが皮膚も一緒に切ってしまうことがよくあるからなんです。
猫の皮膚ってびっくりするほど良く伸びますよね。
ただでさえ毛があって皮膚との境目が良く見えないので、皮膚を切らないように毛玉だけを持ち上げます。ですが、皮膚も伸びて一緒に持ち上がってしまうんです。
それに気付かず切ってしまうと大変なことに。
ですから、ハサミは縦に使うことがポイントです。
Step:4 プロに任せる
猫を傷つけず安全に毛玉を取るには、プロに任せるという選択も必要です。動物病院やトリミングサロンで綺麗にとってもらいましょう。
暴れて怪我をするのを防ぐために鎮静剤を使うこともあります。
シャンプー料金:5000円~6000円程度
オプションで毛玉カット料金:500円~1000円程度
別途、鎮静剤を使う時は血液検査代がプラスになる場合もあります。
毛玉を予防する方法
毛玉が取れれば一安心。ですが、またすぐに毛玉ができてしまっては飼い主さんに手間がかかるだけでなく、猫にとっても大きな負担になるんです。
毛玉を予防する方法は3つあります。
- しっかりブラッシングをする
- シャンプーをする
- 絡まりそうなところをあらかじめカットする
一つずつ確認していきましょう。
しっかりブラッシングをする
これが一番大切です。毛が絡まるのを防ぎ、抜け毛を日々取り除くために、できる限り行いましょう。
- 長毛種や毛玉になりやすいと感じる猫:1日に1~2回
- 短毛種やこれまで毛玉の経験がない猫:1週間に3~4回
もちろん長毛種に比べれば毛が絡まりにくく毛玉にはなりにくいですが、抜ける量は短毛種の方が多いんです。
ゆねの猫種であるスコティッシュフォールドだけでなく、アメリカン・ショートヘアも毛が多く毛玉ができやすいと言われています。
血行促進にもなりますので、短毛種の猫ちゃんもぜひブラッシングしてあげてくださいね。
ブラッシングの基本は毛の流れに沿って行う事。特に毛玉ができやすい場所を重点的に行いましょう。
- 顎の下から喉にかけて
- 耳の後ろ
- わきの下
- お腹
- お尻
- 首輪や洋服でこすれるところ
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【抜け毛をごっそり除去するブラシ】
わたしもゆねのブラッシングは毎日欠かしません。毛の量も多いので、普段はこのクシとスリッカーブラシを使ってお手入れをしています。
ブラシにはいろいろな種類があって、使い心地や猫との相性もいろいろ。猫歴30年の経験からおすすめしたいブラシや、実際のブラッシング方法を詳しくお伝えしています。
ブラッシングは、毛玉対策はもちろんのこと、愛猫とのスキンシップも取れて一石二鳥。毎日続けてあげたいですね。
シャンプーをする
毛玉を作ってしまう要素の1つである皮脂や汚れ。これをすっきりと除去するには、定期的なシャンプーが効果的です。
ですが、シャンプーは少しハードルが高いと感じる人も多いかもしれませんね。コツさえつかめば、おうちでも十分に行えるんですよ。
試してみたくなるシャンプーの魅力と簡単にできる手順をこちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。
あらかじめカットする
どんなにブラッシングをしてもいつも絡まってしまうところってあるんですよね。
そういう時は、あらかじめトリミングサロンでカットしてもらうという方法もありますよ。
ライオンのようにする思い切ったサマーカットも個性的で素敵ですが、部分カットであれば挑戦しやすいですよね。
猫がブラッシングをどうしても嫌がる、絡まりやすい毛質をしているなど、毛玉ができるのを繰り返してしまう時は、選択肢の1つとしておすすめです。
番外編:毛玉ができやすい時期
それは1年に2回、春と秋にやってくる換毛期です。
換毛期というのは、簡単に言えば猫にとっての衣替え。快適に過ごせるように、春には冬仕様から夏仕様へ、秋には夏仕様から冬仕様へと被毛を入れかえます。
その際、脱ぎ捨てた毛が大量に抜けます。
抜け毛が毛玉を招くので、「毛がたくさん抜ける=毛玉がたくさんできる」ということなんです。
そうなんですよね。換毛期はお掃除も大変です。
特に洋服に付いた毛を取るのは一苦労。わたしの愛用アイテムをご紹介しています。換毛期のお悩みにお役立てください。
毛球症について
換毛期に気を付けたい毛玉は、体の表面にできるものだけではありません。
飲み込んだ毛が胃の中でボール状になることがあります。その毛玉が大きくなりすぎて、吐きだすことも便として出すこともできなくなることを、毛球症と言います。
毛球症は飲み薬で解決することが多い病気ですが、状態によってはお腹を切って取り出すなど手術が必要になる場合もあるんです。
こちらで簡単なケア方法も紹介しています。
まとめ
抜け毛が他の毛と絡まり、皮脂や汚れが加わって大きくなっていく毛玉。常に毛が抜けている猫とは切っても切り離せない関係です。
毛玉ができてしまった時の取り方をお伝えしました。
猫は絡まった毛に皮膚を引っ張られて痛い思いをしています。さらに皮膚を引っ張ったり傷つけることがないように、無理には引っ張らず根元を押さえて進めましょう。
【指でほぐす】
優しくこすり合わせるようにして指でほぐしましょう。
ほぐれてきたらステップ2へ、上手くいかない時はステップ3へ進みます。
【クシやブラシでとく】
毛先から少しずつとかしていきましょう。全体と整えて完了です。
【ハサミを使う】
毛玉に数か所切り込みを入れます。縦(皮膚に対して垂直)向きに切るのが、皮膚を切らないためのポイントです。
ほぐれてきたらステップ2に戻り、クシやブラシで溶かします。びくともしない時はステップ4へ。
【プロに任せる】
動物病院やトリミングサロンで綺麗にとってもらいましょう。
どんなに気を付けていても毛玉ができることはよくあります。
今できている毛玉を無事に取ることができた後は、ブラッシングで予防していきましょう。いつもサラサラ、ふわふわの毛並みを保ってあげたいですね。