もしかしたら、こんな会話をしている飼い猫たちがいるかもしれませんね。
あなたの猫ちゃんはどうでしょうか。
餌をポロポロ落とし、お皿の周りを汚していたりしませんか。
毎回毎回きれいに片づけるのはかなり手間ですよね。
時間がない時にポロポロ落されてしまっては、
この問題、単に猫のお行儀が悪いだけだから仕方ない、とあきらめている飼い主さんも少なくありません。
餌をポロポロ落さなくなる解決方法はあります。
ただしその前に、猫が餌をポロポロこぼしてしまう理由をきちんと理解しましょう。
知らずに放っておくと、思わぬ病気を見逃してしまう危険性も。
今回は、猫が餌を落とす原因と、その原因に合わせた対策をお伝えしていきます。
猫ちゃんもキャットフードを食べやすくなるし、飼い主さんも落とした餌の片付けの手間を減らせるといいですね。
ちょっとした工夫で治せる場合もありますので、あなたの愛猫の様子をしっかり確認し、適切に対応してみてください。
猫が餌を落とす原因

では猫ちゃんが餌をポロポロ 落としながら食べる原因は何があるのでしょうか。
愛猫ちゃんにはその原因が当てはまりそうなのか、想像しながなみてくださいね。
キャットフードの問題
キャットフードは数え切れない程の種類がありますよね。
ドライフードを与えている場合、その粒の大きさや形状が原因かもしれません。
猫の歯は、人間のように食べ物をすり潰すための歯は一本も無く、鋭い牙のみです。
これは、猫はもともと野生動物で、捕獲した生肉を丸飲みするという食生活だったためです。
今でもその名残で、ドライフードを少し噛んで丸飲みするという食べ方をするので、その時に歯の隙間からポロポロと落としてしまうのです。
食器の問題
なかなか気づきにくいかもしれませんが、食器が合っていない可能性もあります。
キャットフードの成分や形状にはこだわっても、食器はあまり気にしていない、という飼い主さんもいるかもしれません。
しかし食器は、猫の体の大きさや食べ方に合わせてきちんと選ぶ必要があります。
猫の習性
猫が餌をこぼしてしまう時、顔を左右に振りながら食べていませんか。
もしそのような様子がみられる場合は、猫の習性が原因かもしれません。
野生動物だった猫は、人間に飼われるようになるまでは、自分の餌は狩りで捕獲していました。
その捕まえた獲物を前足でおさえて噛みつき、顔を左右に振り、肉をひきちぎりながら食べていたのです。
その習性が残っている猫は、食べる時に顔を左右に振るので、餌がポロポロ落ちてしまうことに。
これは本能的な部分なので、完全に防ぐというのはちょっと難しいかもしれません。
ですが、後にご紹介する対策を取ることで、少しでも改善を目指してみてください。
高齢化
猫は高齢になると、だんだん噛む力や飲み込む力が弱くなり、今まで通りの餌だとこぼしやすくなります。
特にドライフードは噛む力が必要になるため、ウェットフードや、老猫用に作られた食べやすいフードに変えた方がよいでしょう。
わたしの亡くなった愛猫もそうでした。晩年は、餌を落としてしまうことも増え、食べるのに時間がかかるようになりました。やはり力が弱っていたのでしょうね。
このような場合は、できるだけ愛猫の食べる様子を見守り、少しでも食べやすいフードを用意してあげることが大切です。
猫が餌を落とすのは病気も考えられる

このように、以前は大丈夫だったのに急に散らかすようになった、散らかし方がひどくなった、という場合は、口内の病気やケガの可能性があるため注意が必要です。
可能性として考えられる病気は「口内炎」と「歯周病」です。
口内炎
口の中に炎症ができ、時には出血もするため、痛みでうまく餌を噛むことができません。原因は、外傷によるもの、口内が不衛生な状態である、免疫力が低下している等があげられます。
わたしの知人の猫ちゃんの話ですが、口内炎にかかってしまったことがあります。幸い初期の段階で治療を始めたので、大事に至らず今はとても元気です。
その時の猫ちゃんは、まさに餌をポロポロこぼす、食欲はあるのにうまく食べられない、という状態だったそうです。

歯周病
歯茎に炎症が起き、腫れてしまいます。放置してそのまま悪化すると、激しい痛みを伴って餌を食べることが難しくなります。
原因は、歯茎に付着した餌の食べカス。これが歯石となって付着し、その中に含まれる細菌が炎症の元となるのです。
口内炎も歯周病も、早期発見が大切です。発症してしまった場合は必ず病院で治療を行ってください。
最近では、かみ砕くときに歯石を取り除きやすい形状になっているキャットフードもあります。
これを食べることで、歯磨き効果が期待できる可能性があるので、利用してみてもいいかもしれませんね。

猫が餌をこぼす場合の対策

さて、原因がわかったところで、対策についてお伝えしていきますね。
キャットフードを変えてみる
キャットフードは製品によって大きさが違います。
粒が小さいドライフードは歯にひっかかりにくく、歯の隙間から落ちやすくなるので、大きいものに変えてみるのもよいでしょう。
また形状も、丸くて平たい形、四角、円柱、円すい型など多種多様です。
今までの形状と変えることで、歯にひっかかって砕きやすくなるかもしれません。
実はわたしの猫ちゃんも、餌をこぼしてしまう子だったので、試しに一度だけキャットフードの形状を変えてみたことがあります。
ずっと食べていたのは、丸くて平たいタイプでしたが、それを円柱タイプに変えてみたんです。
ちょっと丸みと厚みが出た感じでしょうか。
少しこぼす量が減りました。大進歩です。笑
完全に一粒もこぼさない、と言う結果にはなりませんでしたが、こぼすことが気になっていたわたしから見れば、とても嬉しいことでした。
もちろん、これが全ての猫ちゃんに有効だとは言いません。
でも、もし試してみようと思われるようであれば、大きさと形状に注目して、キャットフードを選んでみるのもひとつの方法です。
食器を変えてみる
猫は、食器が合っていないと食べづらいため、ポロポロこぼしやすくなります。
食器も様々な種類があるので迷いがちですが、食器選びの重要なポイントは「形状・大きさ」「重さ」「深さ」「高さ」です。
形状・大きさ
大きさは、猫の頭の形に合ったものを選びましょう。皿の縁にヒゲが当たると食べづらいので、口が広めのものや楕円形などがおすすめです。
重さ
ある程度の重さと安定感のある食器がよいでしょう。軽い食器は、猫が食べているうちにずれたり、ひっくり返ったりする危険性があります。
皿を舐めるクセのある猫だと、そのたびに動いてしまうかもしれません。底に滑り止めがついている等、しっかり安定した食器を選びましょう
深さ
浅すぎても深すぎても、食べづらくこぼす原因になります。
ベストな深さを判断するのは難しいですが、浅すぎると餌が食器の外に飛び出しやすくなり、深いと顔やヒゲが食器に当たるので食べづらいのです。
猫の体の大きさや、子猫なのか老猫なのかでも違ってきますので、いくつか使用して合うタイプを見つけましょう。
高さ
猫用の食器には、高さを出すために食器自体に、脚が付いたものがあります。これを使うと、首を曲げて頭を下に向けなくてよいので、楽な姿勢で餌を食べることができます。
もし、床置きタイプの食器で食べづらそうな様子がみられれば、脚付きの食器に変えてみるのもおすすめです。
また、食器を変えること以外に、食器周りの環境を整えるのもひとつの方法です。
食器の下に大きめのトレーやマットを敷いておくと、こぼしたときでも片づける手間を減らすことができます。
最初から散らかしても大丈夫な環境にしておくことで、わたしたちのストレスも少し軽減するかもしれませんね。
わたしの猫ちゃんが使っている食器は、重さのある陶磁器製で、口が広いタイプ。サイズを測ったところ、重さ450g、口径15cm、深さ4cm、脚付きなので床から5cmくらい上に餌があります。
昔のわたしはプラスチック製の軽い、深さのあるお皿を使っていたことがあるのですが、完全にミスチョイスでした。
猫ちゃんは、軽いのでカタカタ動いて食べづらそうですし、食器の縁にヒゲが触れるのをとても嫌がっていました。
その失敗を踏まえて、いろいろリサーチした結果、この食器にたどり着いたのです。
猫ちゃんに合う食器はそれぞれ違います。いくつか試して、使いやすいタイプを見つけてあげてくださいね。
まとめ

ここまで、猫が餌をポロポロ落としてしまう原因と、その原因に合わせた対策について説明してきました。
- 口内炎や歯周病などが原因になっている場合は要注意
- 病気以外の場合、フードや食器が合っていない、猫の習性、高齢化が原因の可能性あり
- 対策として、キャットフードや食器を変えてみると効果的
一番気を付けなければいけないのは、病気の可能性を疑うことです。それだけは見逃さないであげてくださいね。
病気以外の場合は、なかなか原因をひとつに特定することは難しいかもしれません。
また、キャットフードと食器の変更も、ベストなものを見つけるのには時間がかかりますよね。
焦らずにいろいろ試しつつも、「うちの猫ちゃんは不器用だから仕方ないよね」と、個性のひとつとして受け入れてあげるのもひとつの方法です。
多少こぼす程度なら大目に見てあげるのはいかがでしょう。
猫ちゃんもわざとこぼしているわけではありませんから、ぜひ温かい目で見守ってあげてくださいね。